ボロ宿、なんて大げさでしょう~と思いながら読んでいたら、本当にオンボロの宿もあってびっくりした。
そして境港も出てきた。ゲストハウスも良かったけれど、この宿も泊まってみたかったと水木しげるロードの風景を思い出していたら、あの売り物件だったかとわかった。何度か前を通って、元は旅館だったんだなと見ていたところだ。寂しい感じがした。
ボロ宿は減ることがあっても増えることはない気がする。この本は貴重な記録になりそうだ。著者はけっこうな愛着をもって「ボロ宿」と呼んでいると思う。
上明戸聡『日本ボロ宿紀行』鉄人文庫、2017年