数人で古本屋めぐりに行った。
まずは西荻窪の音羽館。Nigel Slater『Toast』と『ブラスト公論』、萩尾望都『11月のギムナジウム』。『Toast』は留学したときにクリエイティブ・ライティング(エッセイや伝記の書き方を教わるコース)の授業で読んで、いたく感動した本だ。著者のSlaterが自身の過去を料理とともに振り返るエッセイで、タイトルは全部料理名だ。イギリスの食文化も知ることができる。英語も平易な表現でさらっと読めてしまうが、表現がとても巧みだ。性虐待などトラウマも書かれていてけっこうショックを受けた記憶がある。『ブラスト公論』は、これは絶対面白いと勘が働いたので買った。ライムスター宇多丸、古川耕、高橋芳朗(TBSラジオリスナーにはおなじみ)、前原猛、郷原紀幸の5人の雑誌での対談をまとめたもので、文庫サイズでなんと1100ページくらいある。文字起こしと編集の大変さを思って気が遠くなるよ。めちゃくちゃ面白い。宇多丸さんが二千円札にキレているところまで読んだ。萩尾望都の漫画は読んだことがなかったから。
その次は吉祥寺の古本屋のんき。迷ったが『モノと男の戦後史』を買った。「居場所(喫茶店・書斎)、身体(カツラ・バイアグラ)、表象(スーツ・社章)など、「男であること」を生み出してきたモノを通して描くもうひとつの戦後史」(裏表紙より)だって!!
次によみた屋。雑誌から人文書まで幅広い。松本零士『セクサロイド』と清家雪子『月に吠えらんねえ』を買った。『月に吠えらんねえ』は、最近知り合いに教えてもらった本だ。これもものすごく面白くてどうにかなりそうだった。『セクサロイド』は人形ジェンダー研究をしてた(してる?)者として買おうかと思って。
本を買ったあと、みなで買ったものを見せあったのだが、『セクサロイド』というタイトルの漫画を買ったことがなんだか恥ずかしくてこれは見せなかった。
最後に防波堤へ。もう買わないつもりだったが、『巴里の空の下 オムレツのにおいは流れる』が気になって手に取ってしまう。ついでに穂村弘『整形前夜』も。
わいわい言いながら本を見たり、サイゼリヤで本を見せ合ったり、すごく楽しかった。こういう時間が自分にも来るとは思わなかった。