ひとり映画日記2

映画・本・イギリス(アメブロ『ひとり映画日記』から引っ越し

有明、サンマルク、ライブ

  有明なんてめったに行かない。

 

 私がぼんやり「お洒落地区」と感じているうちの一つの、国際展示場駅で降りた。悪夢の就活以来だろか。空が青くデカい道路が走っていて、住んでいる街と全く空気が違う。雪国に住んでいたときの私が考える「東京」といえばここは入ったけれど。

 

 東京ガーデンテラスは、変わった服屋からH&M、高級なサンマルクカフェまで混在していた。子どもを連れた人たちに混じり、コスプレのような目立つ服装の人やライブTシャツを着ている人が見える。そう、ライブのためにはるばる東京ガーデンシアターまで来たのだ。私がこれまでの人生で行ったライブは一度だけ、下北沢のライブハウスだった。大きなライブ会場も、ペンライトが振られる空間も初めてである。そもそも今日は、声優、アイドル、ラッパー、ロックバンドなどごちゃまぜのライブなのでどんな人が集まるのだろうとふわふわ浮足だっていた。紫のTシャツの人はヒプマイのナゴヤのファンかしら、と思ったらももクロだったりカリスマだったりした。

 

 もう、席は間違えるし物販の勢いには呑まれるし始まる前からどきどきだ。

 場内が暗くなったとき、あちこちで光るペンライトやリングライトがとても綺麗で、こんなにいい景色がライブに来るとみられるのかと胸がいっぱいになる。知っているアーティストも知らないアーティストも、パフォーマンスや演出に目が釘付けだ。

 

 特に、ドレスコーズがかっこいいと思った。毎日Tokyo FMを聴いているので、曲が流れたりボーカルの志磨遼平がゲストに来ていたりして耳馴染みがあるのだが、歌い方も衣装もいいなあと思った。余計なことは言わないけれどきっちり笑わせて、ビシッときめて退場していった。特撮の大槻ケンヂも大迫力。私は、曲は聴いたことがないのに大槻ケンヂのインタビューは何度か読んでいる(健康の話が身に沁みた)。どういう歌を歌っているのかやっと聴けた。

 

 お目当てのヒプマイの時は立ち上がって手を振ったり歌ったり、あー、私はファンになってからずっとこういうことがしたかったんだと思う。そしていつもはスクリーン越しに見る人たちが前でパフォーマンスをしている。ライブにまったく興味がなく、チケットの予約も苦手な人間がここまで来てしまった。ああ、楽しい、この瞬間を覚えて頑張れる。

 そしてトリのももクロがかわいい!ももクロが目の前にいるということが不思議な感じがした。私も不慣れながら「Z」のかけ声とハンドサイン(?)をやってみた。ヒプマイのファンも熱かったけれど、ももクロファンの声援に圧倒された。

 

 ライブ前、お昼にサンマルクカフェに行った。早く入れそうだしサンマルクなら安いと踏んで入ったものの、高価なワンプレートにドリンクバーは別料金という高級なサンマルクカフェでびっくりした。地元の、ワンコインもしなかったようなドリンクで粘らせてくれたサンマルクカフェではない。せっかくだしと値段をあまり気にせず(しかし財布には痛手。さっきライブTを我慢したのに、こういうところが抜けている)選び食べながら、いま「東京しているな」と思った。ライブ、有明のショッピングモール、高級(あくまで私にとって)なランチ。「東京」はいろんな顔があって、7年見ているけれどまだわからない。懐に入り込めたようでいて、まだまだ近くて遠い。