ひとり映画日記2

映画・本・イギリス(アメブロ『ひとり映画日記』から引っ越し

安心して話せる場所 2024.03.20

 ずっと気になっていたカフェに行くと、大学生の頃の知り合いがいた。やっぱりとも思ったし、嬉しくなった。

 

 カフェで食べたサンドとコーヒーは美味しく、安心していられる場所だった。カフェのオーナーが「なめられやすいってね、なめてくる方が絶対悪いんだ」と言っており、目からウロコだった。私は「なめられないように」と最近常に気を張っていたけれど、なめられやすいことに罪悪感を覚えなくていいのだと、当たり前のことに気がついた。そう言えるって素敵なことだと思う。このカフェはセーファースペースだと感じることが多かった。もっと近くに住んでいたら通うのに。

 

 図書館、カフェ、本屋と移動を繰り返したので読書する時間が多かった。珍しく、1日で小説を読み終えた。山内マリコの『あの子は貴族』。読み始めたら止まらなかったのだ。言いたいことが沢山ある。この本を読んだ人の多くが、自分の経験を言葉にしたいと思っただろう。「日本は格差社会でなく階級社会」という文に胸を突かれた。『神前酔狂宴』も昨日読み終えたが、どちらも結婚が話の核になる小説だ。私もついに、まわりが結婚し始め、「結婚」の2文字がひたひたと忍び寄ってくるようになった。受験、就活、婚活と、常に追い立てられるように生きているのはなぜなのだろう。そんなにまでして、一体何を手に入れたく、何が手に入ったのだろう。贅沢な悩みといっても、この圧迫感は私には切り離せない悩みだ。