ひとり映画日記2

映画・本・イギリス(アメブロ『ひとり映画日記』から引っ越し

マンガの編集者とは 2024.06.03

 noteにも書いたがカレー沢薫『負ける技術』を読んでいた。読んでいて気になったのは、カレー沢薫の、自身のマンガを担当する編集者への殺意だ。優秀で曲者(?)の編集者とは色々バトルがあったようだ。取材の日に寝坊して来ないとか。編集者という人も途中で担当が変わり複数人出てくるので、正直誰がどの人かよくわからない。とにかく「濃そう」な面々で、マンガの編集者ともなると、これくらいキャラが立っていないとなれないのだろうか。マンガ家があとがきで書く編集者との打ち合わせエピソードはたいてい面白い(『とりぱん』と『私の少年』もおすすめ!)。小説もしかりで、三浦しをんのエッセイに出てくるS社の編集者もなかなか強烈な印象を残している(新作のタイトル候補として編集部から三浦しをんに送られたものが酷かった)。

 編集者というと、大好きなマンガ『BANANA FISH』のオフィシャルガイドブックを読んでいたら、担当編集者と吉田秋生の対談が出てきた。登場人物の一人ブランカはもともと女性でアッシュの初恋の人という想定であり、それはちょっと違うとなりあのブランカに行き着いたのだそうだ。ブランカが当初の設定のままだったら、全然違う話になっていたかもしれない。編集者の存在って大きいんだなと思った。

 そういえばマンガの編集者はどうやって作者に提案するんだろうと思っていたら、原稿に「もっとイケメンに」とか書いてあるらしい。『負ける技術』より。