ひとり映画日記2

映画・本・イギリス(アメブロ『ひとり映画日記』から引っ越し

残す本、手ばなす本 2024.02.20

 ここ数日はさながら旅人、大量の本を担ぎ、古本屋を数件まわった。本を前にすると、だいたい、「あまり読まないけれどとっておきたい本」「絶対に必要な本」「手ばなしてもいい本」に分かれる。本を前にした時にわかるので、面白いと思う。あまり読まないけれどとっておきたい本は、戯曲やサイン本(直筆じゃないし高価なものではないけれど....)とか。絶対に必要な本は揺るがない。絶対に必要な本が手ばなしてもいいやに移ることはあまりない。

 

 最初の本屋Aは家の一番近く。しっかりした店主がいつも丁寧に査定してくれる。店内の児童書に興味を惹かれるが、本を減らしに来たのに買って帰ってはだめだと諦めた。

 次の本屋Bはけっこうテキトーだった。まあいい意味で。対応してくれた人が誰かに聞きにいき、「~円だって!」と言ってお金を渡してくれた。マンガはあまり喜ばれず。よく買っている店なのだが、私が持っていく本を間違えた。

 次の本屋Cは、この本を売るならここがいいと思うものを持っていった。「うちで売りたい本ばかりです」と言われ、よっしゃ!と心の中でガッツポーズ。知人に紹介され知った本屋。素敵なところだ。ここでも、「あ、『あの子は貴族』あるー」とか「この作家気になる」とか買って帰りそうだった。だめだめ、在庫(?)を減らすんです。

 次の本屋D。特に何もなく終了。値付けがどういうものかはよく分からないけれど、本を減らすのが目的だからいい。

 最後は、某大手の古本屋。流れるような作業で全部引き取ってもらった。店員が皆面白そうで、ここで働いたら楽しいかもしれない。大変そうだけれど。

 

 疲れたが、この本ならここ!と考えて売る、そのピースがはまったときは達成感があった。こういうことになら、私の頭はよく回り、決して何もできないわけではないのだと妙な自信をもった。本から離れて生きていけないんじゃ.......。

ゲレンデDJ特集 2024.02.16

 2日遅れで、「アフター6ジャンクション」のゲレンデDJ特集を聴き、テンションが上がっている。90年代にゲレンデDJをしていた南部広美さんが、ラジオで当時の曲をかけながらDJをするのだ。歌だけでなく、南部さんのしゃべりが最高で、ゲレンデにいる気分になる。この特集大好き。アトロクは傑作回が多い。

 

 今回かかった曲では、大黒摩季の「別れましょう私から消えましょうあなたから」が好き。バレンタインということで「愛」がテーマだったが、90年代当時の社会や2024年の状況を踏まえたコメントが的確。最後はやっぱりライムスターの「サイレント・ナイト」で。就職が決まらなかった冬、ゲレンデDJ特集でこの曲を聴き涙したのを思い出した。うーん、いい特集!

 

気づけば23時 2024.02.15

 気がついたら23時だ。仕事と引っ越しで、息つく暇がない。今日は職場にいる間にものすごく辛くなった。絶え間なく続く仕事、休み時間にかける引っ越し関係の電話、読書に集中できず延々とみるツイッター(結局再開した......)。

 

 帰りにチェーンのカフェに寄って少し休んだ。東京に来てからずっと最寄りだったこの駅が、とうとう最寄りではなくなることに寂しさを感じる(それなのに、カフェに入ったのは今日が初めてだ)。自分で思っていた以上に馴染んだ駅になっていたのだ。この駅に降り立つと帰ってきたという気分になる。引っ越し先でも好きな場所がたくさん見つけられるだろうか。

 森茉莉の『贅沢貧乏』を読み、魔利(マリア)の姿勢よあっぱれと思った。もともと裕福な家庭に育ったのが、本作を書く頃はけっこう苦労していたらしい。お嬢様育ちの苦労話にもなるはずだし、冷やかす人もいただろうが、全く意に介さず「贅沢貧乏」を貫いている。「貧乏ではなく貧乏くさいのが嫌」という魔利の美学は真似したい。傑作だと思う。

人生は楽しい『哀れなるものたち』(ネタバレ注意)

 全然「いい話」でも明るくなる話でもないけれど、人生は楽しいと思った。

知っていくこと、発見すること、好きな人といること、自分で選ぶこと。

 

 その選択肢を制限されたり奪われてきたりしたのが女性だが、ベラ・バートンは彼女を閉じ込めようとする男たちの手をするりと抜けていく。ベラは自殺したヴィクトリアとは違う人間だが、ヴィクトリアがあり得た姿でもある。

 

キャラクターの誕生日 2024.02.14

 朝、今日は好きなキャラクターの誕生日だということを思い出し、にわかに上手くいく気がした。今日は仕事で大事な予定があったのだ。

 

 そしてまさかの、職場でそのキャラクター・飴村乱数が歌う曲が流れた。職場で流しているラジオで、同じく誕生日をお祝いするファンがリクエストしたのだ(正確には同じ声優が担当する別のキャラクターも誕生日ということでそちらがリクエストされたが、乱数の曲も流してくれた)。まさか職場でヒプノシスマイクを聴く日が来るとは。およそ似つかわしくない「drops」が流れて嬉しかった。私は小躍りしたいくらいだったが、恐らく皆興味ないのでしーんとしていた。

 

 好きなキャラクターと同じ誕生日だったらいいのにと思う。ラジオのパーソナリティは、「バレンタインが誕生日ということは重要なキャラクターなんですね」と言っていた(上記のキャラクターの誕生日がバレンタインというのはイメージによく合っている)。私の誕生日はイベントのある日でも語呂合わせのよい日でもなく、作者に思い入れがあるか物語上重要な日でもなければ、まず登場人物の誕生日には選ばれない。漫画やアニメなど間口の広い作品であればなおさらだ。バレンタインやクリスマス、ゾロ目なんかが選ばれがちだから。だからまだ、同じ誕生日の好きなキャラクターや登場人物には出会えていない。

 

 フィクションの人物の誕生日なんて祝っても意味がないと思っていた。熱心なハリー・ポッターファンが、親のいないハリーのためケーキを買ってお祝いしていると聞いた時、えーそこまでと思ったっけ。でも自分がファンダムに入ると、好きな人物の誕生日って嬉しいものだ。いまだに11月29日はカツ丼を食べようかと悩む。そして実在しない人の誕生日も盛大に祝ってしまうファンの熱さが私はけっこう好きだ。飴村乱数ハッピーバースデー。

引っ越すことに決めた 2024.02.13

 引っ越すことに決めた。突然の引っ越しで大家さんにも不動産会社にも無理を言ったから文句は言いたくないけれど、色々な人と連絡がつかずストレスを抱えている。電力会社にも不動産にもなかなか電話が繋がらず、相手からの電話もタイミングが悪く取れず、かといってメールでは対応してもらえない。やることが多く、パズルのように日程を埋めていく作業で神経が切れそうだ。

 

 こんなに大変なら引っ越さなければいいのに。でも心のどこかでは、違う街に行きたいと思っている。何かに押されるようにアパートを契約し、荷物をまとめていく。

 今住んでいる地域には、住む場所は変わりつつ、東京に来てから7年いた。いるうちに好きな場所が積み重なっていった。クリーニング屋も、居酒屋も、病院も、自分で歩きまわり信頼できる場所を見つけてきた。私はここにいるために頑張っていたんだと思う。考えれば寂しいが、もうこの地域は行き尽くしたとも感じている。次の街が見たい。そして、職場と家の往復ではない暮らしがしたい。自分もこうなりたいと思う人たちが住む街に近づくが、私はどうなるだろうか。

 環境が人をつくるというのは本当だと、働いてからしみじみ感じている。東京に来てからの私はこの地域に作られていた。だから少し立つ場所を変えてみようと思う。全く違う場所に引っ越すわけではないが、より好きな方へ。

ヒプステ BoP Cinema edit!!

 ヒプステ!ヒプステを観た!ヒプステとは、「ヒプノシスマイク」の2.5次元舞台です。去年シブヤvsヨコハマ篇を観てから、今回の「Battle of Pride」を楽しみにしていた。丸の内ピカデリーでの先行上映に足を運んだ。

 

 「Cinema Edit」ということで、舞台を撮影・編集したものが3面スクリーンにデカデカと映し出される。金曜の夜に観に行ったのに、けっこう人が来ており、皆アクスタなどのグッズを持っていて活気があった。入場特典ではリストバンドをくれた!

 

 「シブヤvsヨコハマ」しか観ていないため、全キャスト登場といってもアカバネなどは他人の感想でしか知らない。さて、楽しめるか!?

 

 

 ものすごーく楽しかった。自己紹介として全ディビジョンが出てきてしっかりパフォーマンスしてくれるため、細かいところはわからないまでも誰がいるのかは知ったうえでみることができた。これが噂のアカバネ、アサクサか.....。アカバネの人が特にダンスキレッキレ。そして唯一の一人メンバー(?)「糸の会」?彼は何なんだ??貫禄が抜きんでてる。道頓堀の3人もかわいいし、D4も癖が強い。

 ずっとラップパフォーマンスをしてくれる。明確なストーリーがあるというよりはリーダー6人を中心にそれぞれの見せ場があるといった感じだ。これが3時間、息もつかせぬ3時間。空却と一郎、ささら(ごめん漢字変換できない)と左馬刻の友情にはぐっとくるし、T.D.D4人のパフォーマンスもかっこよかった!(一郎は左馬刻に一瞬背負われていた)
私はヒプノシスマイクでいうとヨコハマが一番好きだが、ステージでは寂雷先生が品があって素敵だなと思った。皆、キレよく踊っているのが新鮮。アニメではそこまで踊るシーンはないからだ。一二三も綺麗だったし、ゲームやアニメなどの、どのメディアよりもアクロバットな独歩も良かった!ブクロ三兄弟はかわいい。この調子でいくと全員好きになる。私が一番好きな銃兎は、やはりソロ場面で例の曲を披露しており、「ステの銃兎といえばこの曲」となりそうだ。

 

 「Battle of Pride」がヨコハマで上演されていた時、立ち見でも一万円か~と思って観に行かなかった。立ち見でもいいから観に行けば良かったと少し、いやだいぶ後悔している。会場の熱狂と楽しそうなことといったら!一万円なんて安すぎるくらいだ。それに、このキャストで観られることはもうないのだから.....。ずっとステを追ってきた人ならなおさら、とても感動しただろうと思う。山田一郎が最後に幕の後ろへと消えていき彼おなじみのポーズをしたところに、イラストが重なり消えていく演出がにくい。こんなの、泣いてしまうでしょう。2.5次元舞台って面白いの?なんて思っていたけれど、ヒプステは「見たことのない景色を見せて」くれた。

 

それとは別に、自分も自分の職場でプロとして稼いで(まあまだまだ下っ端ですけど)、プロの作った作品にお金を払って楽しむのって、なんて気持ちいいのだろうと思った。今まで知らなかった快感だ。こういうところにはケチらないで、関わった人が相応の報酬を得られるようにしたい。演出、演者、カメラワーク、編集ともに全力でとってもかっこよかった。

そして終演後、拍手とともに「左馬刻様!」という悲鳴が上がったことも記録しておこう。Cinema editについてくる、エンドロール後のおまけで、左馬刻様は笑いをこらえているのかずっと下を向いていたのだった。最後まで面白い。