ひとり映画日記2

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やさしさだけじゃ 2023.12.14

 

やさしさだけじゃ人は愛せないから

ああ なぐさめてあげられない (THE BLUE HEARTS「人にやさしく」作詞:甲本ヒロト

職場で哀しいこと、ムカつくこと諸々あり、駅に着いた途端「人に優しく」を歌おうと思ったのだ。よく行くカラオケ屋で、歌詞を見ながら歌っていてどきりとした。優しさだけじゃだめなのか、好きな人にずっと「優しく」していたけれど、それは薄々気がついていたけれど違うんだな、「やさしさだけじゃ人は愛せない」なんていつわかるのだろう。ブルーハーツの曲ってけっこう聴いていてどきりとする。その後、「怒りをくれよ」「RED ZONE」(ヒプノシスマイク)「何様」を歌い、たぶんあのカラオケ屋で一番怒っていた人。

 

 よく行くカラオケは、ほかの町ではあまり見かけない、そんなに人気のなさそうなチェーンで、けっこう料金も高い。けれど避難所のように思っている。店員がゆるくてあんまりやる気がなさそうなところが好きだ。あそこに行くとほっとする。1000円近くする避難所なんてどうなのだろうと思うけれど。きっとこの町を離れるときに、思い出を美化して懐かしく思い出すのだろう。一人で何曲歌っただろう。

 昔住んでいた場所はまわりにほとんど誰も住んでいなかったから、腹が立ったときは好きなだけ外で叫んでいた。今でもホームで泣き叫びたいときはある。でもできない。家が密集している都会で、気兼ねなく大声を出せる唯一の場所がカラオケだ。泣きながら歌おうが音痴だろうが誰も気にしない。映画館とか、厳密には一人ではないけれど一人になれる場所をいつも求めている。